

革包丁。
私の仕事の道具です。
これは革を裁断する時に使います。
刃物を研ぐときは、3種類の砥石を使います。
右から粗研ぎ(形を大きく変えるときのみ使用します)中研ぎ(刃こぼれしたり、ごくたまに刃の形を整えるときに使用します)と超仕上げ研ぎ(頻度によりますが、2,3日に一度研ぐのに使います)を使っています。
水をかけて研ぐのですが、研いだあとの砥石で濁った水も拭き取らず一緒に研ぐとよいとされています。
この仕事をしてから研ぐのが上達し、切れ味も持続するようになりました。
これは皮肉ですが、革職人が直す、と謳っている某チェーン店の修理屋さんはカッターナイフで革を裁断していました。
切れればなんでもいいのでしょうが、革包丁を使うメリットはカッターと違い、裁断面が地面に対し真っ直ぐに切れますし、力をかけやすいので研ぎ方が上手ければカッターよりも切れます。
革包丁の使い方で熟練度も分かります。
私は裁断は細かい部分に使うペンカッター、革包丁、を使いますが、ほぼ9割以上は革包丁を使います。
多くの刃物には鋼(はがね)を使っています。
鋼は錆びやすいですが、私自身の感じた切れ味はステンレスの混ざった鋼以上です。
鋼と炭素が0.3%-2%以下を含んだもので、鉄よりも丈夫です。
昔からの鋼には白鋼、青鋼がありますが、青鋼は白鋼よりも硬く、高価です。
青鋼に比べ刃を研ぎやすく切れ味が鋭い白鋼。
青鋼はクロムやタングステンを含んだ鋼で、高い硬度で切れ味も長く続くとされています。
この鋼で造られた刃物は硬度が高いため、研ぎづらいそうです。
私の使っている革包丁はおそらく白鋼でしょう。
青鋼のものも使ってみたいです。
それから、鋼を何でも削れば刃物になるわけではないです。
以前、海外工場で工員に指導をしているときに革の端を削る道具がなく、鋼鉄の棒をグラインダーという切削器で削り刃物を作ろうとしました。
摩擦熱によって鋼鉄はかなり温度が高くなり、鋼鉄に含まれている成分が変化してしまったのか、ほとんど削れなくなってしまいました。
後から知ったのですが、刃物を削る時は場合によっては温度を上げてはならない、ということでした。
私の道具は市販のものを自分仕様のものに加工をし直します。
自分の使いやすい形に削ります。
上の経験を経て、少しずつ熱を持たないように水を用意して写真の小型のグラインダーで削っています。
私は市販の道具でもそのまま使わず、自分の使いやすいように加工して使っています。
ミシンなどもいろいろ道具を削って使っています。
またそれは後日。
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